
宇宙のはじまり 多田将のすごい授業 (イースト新書Q)
多田将
イースト・プレス / 2015-05-20
この本について
最近、日常の小さなモヤモヤに追われていると、ふと「そもそも自分って何なんだろう」「この世界ってどう成り立ってるんだろう」と、いきなりスケールの大きい疑問に飛んでしまうことがあります。考えたところで答えが出ないと分かっているのに、なぜか気になってしまう。そんな感覚、けっこう共通じゃないでしょうか。 『宇宙のはじまり 多田将のすごい授業』は、その「気になってしまう」を一度ちゃんと受け止めてくれる本でした。難しい専門書ではないのに、プランク時間とか対称性の破れとか、聞き慣れない概念がスッと腑に落ちる説明で出てきます。たとえば、物質と反物質の“ほんのわずかな差”が今の宇宙を生んでいる、という話は、自分の生活のなかで起きている「説明できない差」まで思い返すきっかけになりました。また「物はスカスカなのに触れられるのは電子同士の反発のおかげ」という話は、当たり前に思っていた現実の裏側をつい考え直してしまいます。こういう視点の変化が、日々の悩みを少しだけ相対化してくれるんです。 そして読み進めるほど、「宇宙の話なのに、なぜか自分の話に感じる」という不思議な体験をします。宇宙の果ては想像できない、時間の始まりも理解できない。そんな“人間の限界”を前提にしているからこそ、変に悟ったような言葉に頼らず、ただ一緒に考えていける感じが心地よいんですよね。 普段から「答えのない問いを考えるのが好きな人」には特に刺さると思います。宇宙の話でありながら、肩に力が入ったときにそっと視野を広げてくれる、そんな一冊でした。
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ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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