
この本について
仕事でも日常でも、「あれ、ちょっと違うかも」と思いながら、そのまま進んでしまうことってありますよね。引き返すほどでもない気がして、でも胸のどこかがざわついている。このモヤモヤ、山での“道迷い”と意外なほどつながっているんだと、この本を読んで感じました。 読者が抜き出していた「願望と本能のせめぎ合い」という部分は、とくに自分ごととして刺さりました。いま歩いている道を正しいと思いたい願望と、微かに鳴る警報を見ないふりをしたくなる気持ち。この本は、遭難の記録を通して、その心の動きがどれだけ判断を狂わせるかを淡々と描いています。山の話なんですが、自分の生活と重ねずにはいられません。 そしてもうひとつ印象的なのが、「おかしいと思ったら引き返す」「今やるべきことは先延ばしにしない」という姿勢です。これも山に限らず、仕事の方向転換や人間関係の微調整など、日常にもそのまま使える感覚でした。派手な教訓ではないけれど、具体的な行動レベルで自分の判断を整えてくれる本です。 自分の感覚を無視して突っ走りがちな人に、しずかに効いてくる一冊だと思います。
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