
医療政策を問いなおす ――国民皆保険の将来 (ちくま新書)
島崎謙治
筑摩書房 / 20151105
この本について
医療のことって、日常的に触れているはずなのに、制度そのものになると一気に霧がかかったようになる瞬間があります。とくに「なんで日本はこの仕組みなんだろう」「そもそも社会保険と税方式って何が違うのか」と考え始めると、用語だけが先に立ってモヤモヤが増えるばかりで、自分の理解がどこに立っているのか分からなくなる人は多いと思います。僕自身、このあたりはずっと引っかかっていました。 この本が効くのは、制度の歴史や理念を抽象的に語るのではなく、給付・財政・提供体制がどう結びついているかを具体的に示してくれるところです。たとえば、国民皆保険が“保険の仕組み”でありながら、現場の医療サービスと診療報酬を通じて密接につながっている、という視点は、自分が見えていなかった構造を一段クリアにしてくれました。また、社会保険方式を基軸にせざるを得ない理由が、権利性や財政規律といった抽象論だけでなく、「保険料を納められない人が確実に存在する」という現実から語られているのも、この本の誠実なところだと思います。さらに、医療法人の持分問題のように、制度の歪みがどこで生まれ、どう是正しようとしているのかまで追ってくれるので、表面の議論だけでは分からない“インターフェースの損失”が何なのかも手触りとして理解できます。 医療政策の専門家でなくても、制度がどう繋がっているのかモヤモヤしてきた人には静かに刺さる一冊です。読み終わったあと、自分の生活と制度が少しだけ地続きに感じられるようになります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの70%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




