
ザ・万字固め (文春文庫)
万城目 学
ミシマ社 / 20250117
累計読者数4
平均ハイライト数 11件/人
推定読了時間 約3時間37分
star総合評価 52/100
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この本について
最近、自分には「生まれつきの才能」がないんじゃないか、と静かに焦ってしまうことがあります。頑張っても届かない人がいる感じとか、ひとりで仕事を抱えているような孤独とか、誰かの“本気”を見せつけられたときの惨めさとか。そういうモヤモヤを言えずに飲み込んでしまう日がある人には、『ザ・万字固め』のゆるくて正直な体温がけっこう沁みます。 万城目さん自身が、二十代の「生得」への劣等感や、趣味にのめり込みすぎて家族に呆れられる瞬間、書けないときのしょんぼり感までそのまま差し出してくれる。大げさな成功論じゃなくて、「そうそう、こういう小さな情けなさ、あるよな」と思える情景が続くので、自分の弱さを無理に隠さなくていい気持ちになります。ひょうたんに人生を捧げすぎて“ひょうたん未亡人”と妻に言われるくだりなんて、笑えるのに刺さる。人の本気って、こういう方向にも転がるのか、と肩の力が抜けます。 そして何より、言葉をめぐる細やかな驚きが散りばめられていて、知らない語に出会うたび、少しだけ世界が広がる感じがします。東アジアに存在しない海の色をどう表現できないかに悩む場面も、その不器用さごと愛おしい。 「才能がない日の自分を、ちょっとだけ肯定したい人」に向いています。読んでいるあいだだけでも、焦りや劣等感を押しのけずに持ったままでよくなる、そんな本です。
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出版社による紹介
現実と異界を自在に行き来するマキメ文学、その発想の源に迫る随筆が満載。
『ザ・万字固め』(2013 年刊)に5 本を加えた30本が、装い新たに復活。
文学賞の落選にいじけ、瓢箪やまりもの生育と観察に没頭し、執筆の逃避から妄想を膨らませ、投資で大やけどを負い、旅と食べものと関西を愛し、今日も物語をつむぐ。直木賞作家の日常&奇想天外な世界。
爆笑の直木賞受賞エッセイも収録!
――本文より――
直木賞、直木賞、織田作之助賞、直木賞、直木賞、山田風太郎賞、直木賞、山田風太郎賞、山本周五郎賞、山田風太郎賞――。十七年前に『鹿男あをによし』が直木賞にノミネートされてから、私がこれまで候補に挙がった、文豪の名前を冠した有名文学賞の数々である。これらすべてに落選してきた。
目次
受賞のことば
マキメマナブの日常
旅するマキメ!
デリシャス八重奏
やけどのあと(2011東京電力株主総会リポート)
マキメマナブの関西考
ザ・万字固め
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