
数学する身体
森田 真生
新潮社 / 2018-05-01
累計読者数5
平均ハイライト数 36件/人
推定読了時間 約2時間43分
star総合評価 79/100
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この本について
仕事でも日常でも、頭では「わかったつもり」なのに、実感がついてこないことってあります。人の気持ちを理解したいのに距離がある感じとか、数字や概念を扱うときに、どこか自分の身体とズレているような感覚とか。僕自身、この違和感を放置したまま進めなくなることがよくあります。 『数学する身体』は、そのモヤモヤを「気のせい」で片付けず、むしろ丁寧に解きほぐしてくれる本でした。たとえばミラーニューロンの話。「なぜ他人の痛みを見ても自分は痛くならないのか」という問いは、共感や理解の“構造”を考える入口になりますし、数字を思い浮かべるときに、脳が無意識にサイズや位置など別の感覚と結びつけてしまうという指摘は、「理解ってそんなに純粋じゃないんだ」と気づかせてくれます。そして、数学も身体と環境のあいだで立ち上がる“風景”として捉える視点は、抽象的な思考に行き詰まったときの呼吸の置きどころを教えてくれます。 特に、物事を「頭だけで処理しようとして苦しくなる人」にはしっくりくると思います。自分がなぜそう感じるのか、どうしてうまく掴めないのか。その理由が少し見えてくるだけで、考え方の足場が変わってくるはずです。
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出版社による紹介
数学はもっと人間のためにあることはできないのか。最先端の数学に、身体の、心の居場所はあるのか――。身体能力を拡張するものとして出発し、記号と計算の発達とともに抽象化の極北へ向かってきたその歴史を清新な目で見直す著者は、アラン・チューリングと岡潔という二人の巨人へと辿り着く。数学の営みの新たな風景を切りひらく俊英、その煌めくような思考の軌跡。小林秀雄賞受賞作。(解説・鈴木健)
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