
お金原論―30代で知っておきたい「お金の知性」の高め方
泉 正人
東洋経済新報社 / 2016-07-22
この本について
お金のことを考えるとき、「今の収入って自分の価値に見合ってるのかな」とか、「貯めてはいるけど、何となく不安が消えない」といったモヤモヤを抱えることが多いですよね。節約しても安心できないし、かといって大きな一歩を踏み出す勇気も出ない。僕自身、長いあいだこの堂々巡りを抜けられませんでした。 『お金原論』は、その不安を力技で押しつぶす本ではなく、そもそも自分の“お金との向き合い方”がどんな思考パターンでできているのかを丁寧にほぐしてくれます。収入が低い理由を「評価されていない」と思い込む前に、市場での自分の価値を測り直すという視点や、節約そのものが目的化すると自分の世界を狭めてしまうという話は、日常の具体的な行動をすぐに振り返れる内容でした。お金は道具であって、そこに宿るのは自分の思考と習慣の結果だという指摘は、ちょっと耳が痛いけれど、腑に落ちる瞬間が多かったです。 特に刺さったのは、「今の安定が、自分で築いたものじゃないと不安は消えない」というところ。これは貯蓄や収入の多さとは別次元で、たしかに自分の生活を振り返ってみると心当たりがありました。じゃあどうするかというと、知識と経験を小さく分散しながら増やし、そこから自分の得意分野を育てていくという、地に足のついたステップが示されているのがありがたいところです。 自分の市場価値がぼんやりしている人、貯めているのに不安が消えない人、「お金との距離感を変えたい」と感じている人には、かなり静かに効く一冊だと思います。
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