
植物はなぜ薬を作るのか (文春新書)
斉藤和季
文藝春秋 / 2017-02-17
累計読者数4
平均ハイライト数 7件/人
推定読了時間 約3時間29分
star総合評価 51/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 54%
この本について
気づけば、日々の仕事で「人間の都合だけで世界を見てないか」と感じる瞬間が増えました。効率とか、生産性とか、数字で割り切れないものに触れたときに、うまく言語化できないモヤモヤが残るんですよね。特に、医療や食の話題に触れると、どこまでが人間の知恵で、どこからが自然の営みに“乗せてもらっている”だけなのか分からなくなることがあります。 この本を読むと、その感覚に少し輪郭が出ます。植物が薬を作るのは「人間に優しいから」ではなく、生き延びるために積み重ねてきた戦略だという視点は、まず大きな前提をひっくり返します。また、人工的に作ろうとすると高温高圧や大量の薬品が必要な化合物を、植物が光と水と二酸化炭素だけで作り上げてしまう事実に触れると、私たちが頼りにしている技術の限界と、自然のプロセスのスケールが見えてきます。そして、抗がん薬や抗マラリア薬など、現代医療の土台にどれだけ植物の化学多様性が関わっているかを知ると、「人間の発明」の裏にある歴史の長さに軽くめまいがします。 個人的には、仕事で行き詰まったときに「視野が狭くなっていたな」と気づかせてくれた一冊でした。人間中心の考え方から一歩引いてみたい人には静かに刺さると思います。
analytics
読書インサイト
ハイライト密度
開始終了
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
「動かない」という選択をした植物のしたたかな戦略が「薬」をもたらした! モルヒネやキニーネ、ヤナギの成分から作ったアスピリン、生薬を用いる漢方薬など、人間は古代から植物が作る化学成分を薬として使ってきました。また、ポリフェノール、カテキン、フラボノイドなど植物由来の成分が、いまや日常用語として使われています。 しかし、つい最近まで、なぜ、どのように植物が薬を作るのかは解明されていませんでした。その根源的なメカニズムがわかってきたのは最近のことなのです。分子生物学やゲノム科学という先端的な科学の発展によって、植物の巧みな生存戦略に隠された、植物成分を作る意義と、その方法がわかってきました。 土に根を生やして移動しない、という生き方を選択をした植物は、人間も含め、共存する生命との協力関係や敵対関係のある環境のなかで、生き抜いていかねばなりません。たとえば、動物などの捕食者から身を守るため、苦味や渋み、あるいは神経を麻痺させる有毒な化学成分を作るように進化しました。こうして作り出された化学成分が人間の健康に役立つことがあるのです。 植物は、進化という厳粛な自然の審判に耐えながら、きわめて巧に設計され、洗練された方法で、多様な化学成分をつくるという機能を発達させてきました。私たち人間は、それを薬として少しだけお借りして使わせてもらっているにすぎません。 この本は、もの言わぬ植物からの伝言メッセージです。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
無料ではじめる
クレジットカード不要




