
魔の山(上)(新潮文庫)
トーマス・マン、高橋義孝
岩波書店 / 2023-12-18
累計読者数4
平均ハイライト数 30.5件/人
star総合評価 52/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%
この本について
最近、気づけば毎日があっという間に終わっていて、自分がどこに向かっているのかよく分からなくなることがあります。忙しいわけでもないのに、時間だけが滑っていくようなあの感覚です。そんなときに『魔の山』を読むと、時間ってこんなふうにも感じられるのか、と少し姿勢が変わります。 この物語の青年ハンスは、ただ友人を訪ねるつもりで山へ向かっただけなのに、旅の途中からすでに時間の密度が変わっていきます。景色の細部や、サナトリウムの部屋の空気、食堂の照明の色まで丁寧に描かれていて、自分の時間感覚まで引きずられるような読書になります。なかでも、七分の音楽が「独立した時間」として立ち上がる場面は、日々が流れっぱなしになっているときに読むと、思いもよらないところで胸に刺さります。 この本が効くのは、時間がただ過ぎていくのを眺めているだけでは、いつの間にか自分の感性まで薄くなるんだな、と気づかせてくれるところです。習慣が時間を麻痺させるという一節も、生活が単調になっていると感じる人には現実的な手触りで入ってきます。特別な結論をくれるわけではありませんが、読んだあと、自分の一日の中身をもう少しだけ丁寧に扱いたくなる本です。 とくに、流れ作業のような毎日にどこか居心地の悪さを感じている人に刺さります。
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開始終了
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの69%が集中しています。
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出版社による紹介
トーマス・マンが主人公カストルプの7年間に及ぶ結核療養所での滞在を描く。本書は原語でこの山に挑むための登山ガイド。
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