
ZERO BUGS シリコンバレープログラマの教え
ケイト・トンプソン、酒匂 寛、小田 朋宏
日経BP / 2017-05-25
この本について
開発の現場にいると、自分の書いたコードにどこまで責任を持つべきか、どこからは他の人に委ねていいのか、いつも揺れませんか。レビューで指摘されるたびに落ち込む一方で、他人のコードに手を入れるのも気が引ける。技術的な悩みというより、人との距離感や「自分の流儀」をどう扱うかで迷うことのほうが多い気がします。 『ZERO BUGS』は、そういうモヤモヤに対して直接的な処方箋というより、「ああ、この視点が抜けてたな」と思わせてくれる本でした。たとえば egoless programming の話。コードを自分の所有物のように抱え込むのではなく、他人が自由に改変できる前提で書くという当たり前のようで難しい姿勢が、抜粋からも強く滲んでいます。また、設定エラーをユーザーのせいにせず、修正方法まで含めて設計するという考え方も、日常の開発でつい置き去りにしてしまう視点でした。さらに、リファクタリングを特別なイベントにしないで、「触ったついでに数分だけ整える」という習慣の重要さも、個人的にはかなり刺さりました。 全体として、この本は技術よりも「ソフトウェアが人から人へ受け継がれていく」という前提をどう捉えるかを問い続けてきます。間違いが起きたときに人を責めるのではなく、仕組みを変えることで未来のミスを減らすという姿勢も含めて、読みながら自分の思考のクセを何度も見直すことになりました。 地に足のついた視点で開発を続けたい人、特に「自分のコードが他人に触られると落ち着かない」というタイプには静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの13%が集中しています。
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