
校閲ガール ア・ラ・モード (角川文庫)
宮木 あや子
KADOKAWA / 2017-06-17
この本について
人と関わっていると、自分でも気づかないうちに「いつもの価値観」に寄りかかっている瞬間ってありませんか。周りは似たタイプの人ばかりで、その中ではブレずにいられたはずなのに、ひとつ環境が変わるだけで急に判断が揺らぐ、あの妙なざわつき。正しさよりも空気に合わせてしまったり、逆に意地で突っ張ってしまったり。仕事でもプライベートでも、こういう小さなモヤモヤって地味に疲れます。 『校閲ガール ア・ラ・モード』は、そんな日常の「微妙な揺れ」を、笑えるのに刺さる形で拾ってくれる小説でした。美意識の話ひとつ取っても、外側のきれいさよりも、生き方のほうがよほど乱れやすいという感覚が妙にリアルで、登場人物の何気ない一言にドキッとする場面が多いです。それに、人の意見に影響されないと思っていたのに、実はただ同質性の中で安心していただけだった…という気づきは、仕事で判断に迷っていた自分にとって、けっこう大きな視点の変化になりました。 物語として軽快に読めるのに、人の言葉の乱暴さや、無意識に誰かをコントロールしようとする力学の描き方が容赦なくて、笑いつつも「こういう場面、確かにあるよな」と思わされます。自分の感覚をもう一度整えたいとき、フィクションの形でこういう世界に触れると、変に力まなくても考える余白が生まれるんですよね。 職場や人間関係で「自分の軸がちょっと揺らいでいる気がする人」に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
読書の順序
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