
授業の見方
澤井陽介
東洋館出版社 / 2017-06
この本について
授業づくりの本って、読んでも「結局どこから手をつければ…」とモヤモヤが残ることが多いと思います。子供の疑問を拾いたいけれど、実際の教室ではうまく問いが立ち上がらなかったり、話合いが空論になったり、主体的な学びと言われても何をもってそう言えるのか分からなかったり。僕自身もずっとそこでつまずいていました。 『授業の見方』がありがたかったのは、抽象的な理想論より「子供がどういう状態なら学びが動くのか」を、授業の具体場面から示してくれているところです。例えば、子供の素朴な気付きから学習問題をどう立ち上げるのか、全員がその問いを本当に把握しているかどうかをどう確かめるのか、さらに資料の出し方や発問の仕組み方によって、自然と「見方・考え方」が働き出す構造をどうつくるのか。どれも教師の意図と子供の思考の動きのあいだにある“ズレ”を丁寧に扱っていて、現場に落とし込める感触がありました。 そして、「子供が主体的に考えているかどうかは、本人の自覚ではなく、教師が子供の言葉やノートから見取れるかどうかで判断していい」という捉え方は、かなり肩の力が抜けました。子供に“主体性を自覚させよう”と無理に仕向けるのではなく、自然と考えざるを得ない場面を設計する。その視点に立てるだけで、授業の組み立てがだいぶ変わります。 授業の理想と現実のあいだで悩んでいる人、特に「対話的な学び」をどう仕込めばいいか迷っている人にはかなり刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの43%が集中しています。
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