
労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱~ (光文社新書)
ブレイディ みかこ
光文社 / 2017-10
この本について
社会の空気がざわつくとき、「なんでこんな選択になるんだろう」とか「善悪だけでは説明つかないよな」と思うことが増えますよね。自分の生活や仕事でモヤッと感じる“分断の理由”が、いま目の前で起きている現象とどこか地続きなんじゃないか…そんな予感がある人には、この本がかなりしっくりくると思います。 ブレイディみかこさんが描くのは、ニュースでは切り取られない“地べたの感覚”です。移民への不満も、排外主義の盛り上がりも、それを生むのは結局のところ生活の苦しさであり、公共サービスの劣化であり、「誰も自分たちを見ていない」という喪失感なんだ、と腑に落ちる場面がいくつもあります。社会主義だ平等主義だと語るのは大抵お腹の空かない階級の人間だ、という刺さる一言も、距離のある議論を一気に“生活”に引き戻してくれます。 また、この本は労働者階級の人々を持ち上げもしないし、簡単に批判もしません。排外的な言動の裏にある不安や、なぜ本来は自分たちを助けるはずの政策を支持しなくなるのか、そのプロセスまで丁寧に追っています。読んでいると、自分の判断基準が少し揺さぶられ、「分断の原因を“人の性格”で片づけてはいけないな」と視点が変わる感覚があります。 政治の話に興味がなくても、「職場で感じる不公平感の正体」を考えたい人や、「分断の話題を自分ごととして理解したい人」には特に刺さるはずです。自分の足元から社会を見るってこういうことか、と静かに効いてくる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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