
やりなおし高校日本史 (ちくま新書)
野澤道生
この本について
歴史の本を読んでいて、「結局なにがどうつながっているのか」が分からずにモヤモヤしてしまうこと、ありませんか。昔の出来事が点で並んでいるだけに見えて、政治も文化も人間関係も、どこが重要なのか判然としない。僕自身もずっとそんな状態で、年号だけ覚えても仕事にも日常にも落とし込めないままでした。 『やりなおし高校日本史』が面白いのは、まさにその“点”を自然につないでくれるところです。読者の多くが保存している部分を見ると、ただの暗記ではなく「なぜそう動いたのか」「どうして制度が変わったのか」という“背景の筋道”に刺さっているのが分かります。例えば、聖武天皇が壬申の乱を参照して行幸した理由や、唐との関係で天子という言葉がなぜ問題になるのか、あるいは寄木造が大量生産の需要に応える技術だったことなど、教科書には載っていても因果が説明されない部分が、生活の感覚に近い言葉で腑に落ちる形に整理されます。 もう一つありがたいのは、政治史と文化史と外交史が別々に扱われるのではなく、同じ地続きの現実として描かれている点です。新羅との往来の多さが地方行政にどんな影響を与えたかとか、仏像の生産体系が末法思想とどうつながるのかなど、出来事が“同じ空気の中で起きていたこと”として立ち上がってくる。これは仕事でも、部署や制度の裏側の動きを理解すると判断しやすくなるのと少し似ています。 「教科書の知識が散らばったまま大人になってしまった気がしている人」には、かなりしっくりくる一冊だと思います。暗記をやり直すというより、日本史の“筋の通り方”を取り戻す感覚に近い本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
読書の順序
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