
健康格差 あなたの寿命は社会が決める (講談社現代新書)
NHKスペシャル取材班
講談社 / 2017-11-14
この本について
健康のことって、自分がだらしないから悪くなるんじゃないか…とつい考えてしまいますよね。食生活が乱れる日が続くと「ちゃんとしなきゃ」と焦る一方で、忙しさや家計の都合でどうにもならない時もある。そんな“見えない壁”に気づけなくて、自己嫌悪だけが溜まっていく感じ、僕もよくあります。 この本は、その壁の正体を静かに教えてくれます。たとえば、野菜を先に食べるだけで血糖値の上がり方が変わるという、生活の中で取り入れやすい知識もあれば、そもそも野菜を買いづらい家庭環境が肥満や病気のリスクにつながってしまうという構造の話まで、同じ地平で描かれています。努力の問題と、努力ではどうにもならない問題が、どこで交差しているのかが見えてくる感覚があります。 読んでいて特に刺さったのは、「健康=自己責任」という空気が、むしろ格差を深めてしまうという指摘でした。ナッジのような“そっと背中を押す仕組み”がうまくいくのは、人が怠け者だからではなく、生活に余白がないほど追い詰められている人ほど強制に弱いから。そうした現実に向き合う政策や地域の取り組みに触れると、自分の生活の悩みももう少し大きな視点で考えていいんだと思えます。 生活の小さな工夫と、社会の仕組みの両方を知りたい人に向く一冊です。自分のせいだけにしないための知識が、静かに積みあがっていきます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
読書の順序
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