
オーバーロード10 謀略の統治者
丸山 くがね、so-bin
KADOKAWA / 2016-05-30
この本について
仕事でも日常でも「相手の考えが読めないまま動くしかない」みたいな場面、けっこうありますよね。自分では慎重にやっているつもりでも、情報が足りないせいで余計な準備ばかり増えていく。あれ、地味にしんどいです。僕もよく陥ります。 『オーバーロード10』を読んでいて刺さったのは、まさにその“情報の非対称”に振り回される側の視点が丁寧に描かれているところでした。帝国側が、魔導国の「何ができて、何ができないか」を必死に探ろうとして空回りする姿は、ファンタジーなのに妙にリアルで、自分の仕事での迷い方と重なる瞬間が多かったです。相手の力量が分からないと余計な対策に時間が溶けていくし、逆に判断を先延ばしにしてしまう。その感覚を、物語の中で極端な形にして見せてくれるので、読んでいるうちに自分の行動のクセがちょっとだけ可視化されるんですよね。 同時に、武王の小さな変化や、アインズ側の“完璧ではない思考の揺らぎ”も描かれていて、強者側であっても読み違えたり、余計に気を回したりしているのが分かる。強い・弱いの二元論じゃなくて、立場が違うだけで迷い方の方向が変わるだけなんだな、と少し気が楽になります。 権力や立場の差がある相手との関わりに疲れがちな人、もしくは「相手が何を考えているか分からずモヤモヤしがち」な人には特に届くと思います。ファンタジーなのに、自分の行動のパターンをそっと浮き彫りにしてくれる巻でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
読書の順序
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