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いろごと辞典 (角川ソフィア文庫)

いろごと辞典 (角川ソフィア文庫)

小松 奎文

KADOKAWA / 2018-03-24

累計読者数5
平均ハイライト数 58.4件/人
推定読了時間 約6時間58分
star総合評価 65/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 23%

この本について

日々仕事をしていると、言葉にしづらいモヤモヤってありますよね。特に、人の欲や感情が絡む話になると、うまく捉えられないまま「なんとなく距離を置く」みたいなことをしがちです。とはいえ、避けているだけだと、自分の感覚の輪郭がぼやけたまま残り続ける。僕もずっとそのあたりが苦手でした。 そんな時に読んでみて、ちょっと視界が変わったのが『いろごと辞典』でした。エロというより、“かつての人が欲望をどう扱ってきたか”が淡々と並んでいる一冊で、読んでいてまず驚くのが語彙の細かさです。陰唇を「花弁」と言ったり、会陰を「蟻の戸渡り」と呼んだり、昔の人はここまで身体や営みを観察し、名前をつけてきたのかと感心します。単なる知識ではなく、言葉というフィルター越しに「当時の価値観」や「性に対する距離感」が見えてくるのが面白いところです。 また、この本には、遊女の養生や技法を記した文書が出てきたり、祭りや信仰の中で性がどう扱われたかが載っていたりします。性愛を隠すのではなく、生活や祈りの延長として受け止めていた時代があったと知ると、現代の「なんとなく恥ずかしい」という感覚のほうが実は特殊なのかもしれないと思えてきます。自分の感情や欲が“変”なんじゃなくて、歴史的にはもっと幅があったのだと感じられるだけで、少し肩の力が抜けました。 特に「自分の性に対する距離感がよくわからないまま大人になった気がする人」に刺さると思います。何かを変えるための本というより、曖昧に抱えていた領域に光を当ててくれる辞典。読んで終わりではなく、時々ページをめくって、自分の感覚の位置を確かめるように使える本でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

世界中の性用語、方言、現代の俗語・隠語までを網羅。【鴨の腹】=若い女性の陰毛。または、若い女性の陰毛に手を触れた時の感触の形容。【甘露水】=精液。【恋相撲・恋角力】=性交行為。【騒水】=女性が淫情を感じて分泌する愛液。【花を散らす】=女性の初交……などからは、いまにも熱気や匂いが漂ってきそう。創造力を刺激する語彙と説明が楽しい、いろごと研究に40年以上を費やしてきた著者による、圧巻の「性辞典」。
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