
相続仮面 (PHP文庫)
竹内 謙礼、青木 寿幸
PHP研究所 / 2018-06-01
この本について
相続の話って、まだ先だと思っていても、親の通帳を見た瞬間に現実に引き戻されるようなところがあります。しかも、誰もが「なんとなく知っているつもり」で実際は民法と相続税法の違いすら曖昧だったり、兄弟間で記憶の食い違いが起きたりして、気づいたら感情のほうが先に走っている。自分もそうでした。 『相続仮面』は、そこを“制度としてどうなっているのか”に一度立ち戻らせてくれる本です。三年以内の贈与は相続財産に加算されるけれど、特別受益には時効がないだとか、死亡保険金は民法上は相続財産じゃないだとか、知っているかどうかで判断がまったく変わるポイントが淡々と物語の中に埋め込まれている。読んでいくうちに「なんであの時あの人は怒っていたんだろう」という過去の場面の解像度が上がっていく感じがあります。 もうひとつ救いだったのは、相続トラブルの“本当のつまずき”が法律よりもコミュニケーションにある、と描かれていたことです。相手に理解してほしいと声を荒げてしまいがちだけれど、まずは自分が相手を理解するところからしか始まらない。小学生でも知っているはずのことが、相続になると簡単に吹き飛ぶという描写には、正直かなり身に覚えがあります。 数字や制度がしっかり書かれているわりに、読み終わると「どう振る舞うか」まで自然と考えさせられる本でした。親のことや兄弟との距離を考えるたびに胸がざわつく人に、静かに効いてくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの48%が集中しています。
読書の順序
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