
鬼と日本人 (角川ソフィア文庫)
小松 和彦
累計読者数4
平均ハイライト数 32.5件/人
star総合評価 65/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 28%
この本について
ときどき、自分の中にある「よく分からない恐さ」や、「理由は言えないけど距離を置きたくなるもの」って何なんだろう、と考えることがあります。相手が人でも組織でも現象でも、正体がつかめないままモヤモヤだけが残るあの感じです。最近その正体に少し触れられたのが『鬼と日本人』でした。 この本は、鬼そのものを賛美するわけでも、民俗学の知識をただ並べるわけでもなく、「日本人が何を恐れ、何に境界線を引いてきたのか」を淡々と示してくれます。たとえば、鬼が雷神や龍神と変換可能な存在だったことや、節分の豆まきが本来は貴船や鞍馬に通じる“鬼穴”を封じる儀式だったこと。鬼は超自然の怪物というより、自分たちが支配できない力や、従わない人々に貼ってきたラベルでもあった、という指摘が妙に腑に落ちました。 読んでいて特に刺さったのは、鬼が「排除すべきもの」であると同時に、「人間を人間たらしめるために欠かせない外部」でもあったという話です。社会でも職場でも、外側に“鬼”を置くことで中心が形づくられる。この仕組みを知るだけで、自分が抱える圧や怖さの見え方が少し変わります。また、鬼が持つ“過剰な力”が、扱い方次第で福にも転じるという視点も、日常の判断にそのまま持ち帰れる感覚がありました。 歴史や民俗に興味がある人はもちろんですが、「境界線をどう引くか」で悩みがちな人には特に静かに刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
古代では本気で恐れられていた鬼は、時代が経つにつれ、都合が悪いものを表す存在となる。その歴史から日本人の心の有様を読みとく。
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