
堀田善衞を読む 世界を知り抜くための羅針盤 (集英社新書)
池澤夏樹, 吉岡忍, 鹿島茂, 大高保二郎, 宮崎駿, and 高志の国文学館
集英社 / 2018-10
この本について
最近、ニュースを見ても歴史を学んでも、「結局いまの社会ってどこへ向かっているんだろう」と立ち止まることが増えました。自分の生活は平穏に回っているけれど、世界の動きと自分の実感が結びつかないまま時間だけが流れていく感じ。言葉にしづらい不安だけが溜まっていく、あの感じです。 『堀田善衞を読む』は、そのモヤモヤを直接解消してくれる本ではありません。でも、歴史や政治を“俯瞰して理解するための視点”を渡してくれるところがこの本の強さです。たとえば、堀田が乱世の記録として『方丈記』を読み直した話は、「昔の災害や飢饉も、そこで生きていた個人にはちゃんと現在進行形の現実だった」という当たり前の事実を思い出させてくれます。時代をまたいだ個人の視線を借りることで、いま自分が感じている不安の輪郭が少しだけはっきりする感覚がありました。 また、堀田が言葉よりお金が強くなった時代をどう見ていたか、あるいはベトナム反戦への具体的な関わりをどう記録していたかを読むと、「社会のことを考える」と「自分の生活を守る」が切り離せないのは昔から同じなんだと気づかされます。自分も社会に巻き込まれる存在なんだと実感すると、世界の出来事を少し別の角度で見られるようになるはずです。 歴史や政治から距離を置きたいのに、放っておくと不安になる。そんな“揺れ”のある人にとくに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
読書の順序
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