
勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版 (文春文庫)
千葉 雅也
文藝春秋 / 2020-03-10
この本について
人と話していて、「なんで自分だけ場に馴染めないんだろう」とか、「みんなは自然にできているのに、自分はいつも一拍遅れるな…」みたいなモヤモヤってありませんか。仕事でも、家族でも、昔からの友人関係でも、そこにある“ノリ”に合わせて動いているはずなのに、ふと立ち止まると、自分が何を基準に動いているのか分からなくなる瞬間があります。 千葉雅也さんの『勉強の哲学』は、そういう違和感を「間違い」ではなく、「そこからが勉強の入り口」として扱ってくれます。周りのノリに自然に馴染めていた自分がうまく振る舞えなくなる、その小さな“ズレ”をあえて大事にする発想がこの本の核心です。言葉を玩具のように扱ってみるとか、少しノリの悪い発言をしてみるとか、日常の中での“わざと立ち止まる”行為が、これまでの自分を壊しながら視野を少しずつ広げてくれます。読者の抜粋にも多かった「これまでのバカができなくなる」という表現は、まさにその瞬間のことを指しているように思います。 僕自身、環境の流れにうまく乗りすぎて、自分が何を選んでいるのか分からなくなる時期がありました。この本は、あのとき感じていた閉塞感に対して、「別のノリに出ていく自由は、誰にでもある」と静かに示してくれた一冊です。深い勉強というと堅苦しいですが、実際はもっと生活に近くて、たとえば見慣れた言葉を違う角度から眺め直すだけでも、環境との距離の取り方が変わります。 「周りに合わせるのは得意なのに、自分の基準がどこにあるか分からない」という人に、特に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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