
アメリカ紀行 (文春e-book)
千葉 雅也
文藝春秋 / 2022-05-10
累計読者数3
平均ハイライト数 6件/人
推定読了時間 約2時間23分
star総合評価 51/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 63%
この本について
日々の生活や仕事の中で、自分の「狭さ」みたいなものに気づく瞬間ってありませんか。もっと広くものを見たいのに、気づくと同じ思考パターンや同じ不安に戻ってしまう。環境を変えても、結局は自分の内側の問題なんじゃないか…と立ち止まることがあると思います。 『アメリカ紀行』を読んで感じたのは、千葉さん自身もまさにそういう“内側の狭さ”を抱えたまま異国に放り込まれているということでした。異国で「聖なるものの補給」が途切れる戸惑い、説明を求めてくる他者との距離感、タスクに落とし込まないと不安になる自分。それらが淡々と書かれていて、こちらの経験と地続きで読めるのが妙に沁みます。移動とは広がることではなく、むしろ自分がどれだけ狭いままなのかが露出する時間なのだと気づかされます。 そしてこの本は、悩みを派手に解決してくれるわけではありません。ただ、狭さを「悪いもの」として扱わず、むしろそのつき合い方を丁寧に観察していく姿勢が、結果的に視点を少し軽くしてくれる本です。形式と内容の距離をどう扱うかというメタな悩みも、異文化との摩擦も、どこかこちらの日常に転写できる余地があります。 自分の世界の手触りをつかみ直したい人に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
気鋭の哲学者によるアメリカ見聞記 トランプ以後のアメリカの地で、哲学者・千葉雅也は何を考えたのか。 『勉強の哲学』に続く、半年の思考の軌跡と新たな哲学の萌芽。 ※この電子書籍は2019年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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