
あふれでたのは やさしさだった
寮美千子
西日本出版社 / 20181203
累計読者数4
平均ハイライト数 21.3件/人
推定読了時間 約4時間28分
star総合評価 65/100
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この本について
最近、人と話していて「受けとめるって、どうやればいいんだろう」と手が止まることが多くなりました。励ましたつもりが相手を追い詰めてしまったり、違う意見を言うのが正しいのか迷ったり。自分でもよくわからないまま必死にやっている感じ、心当たりある人は多いと思います。 『あふれでたのは やさしさだった』を読んで、いくつかの場面が静かに効いてきました。一つは「安全な場では、人は勝手に変わる」という描写。注意もしない、評価もしない。ただ安心できる環境をつくるだけで、声の出なかった子が自分のタイミングで話しはじめる。無理に背中を押すより、相手のペースを信じて待つ方が、結果としてずっと大きな変化になるという事実が、妙に胸に残りました。 もう一つは、「共感だけが受けとめじゃない」という話。相手と同じ気持ちになれなくても、否定せずに自分の考えを静かに伝えることも関係をつなぐ方法なんだと知ると、少し気が楽になります。無理に“やさしい言葉”を探す必要がなくなるからです。そして何より、彼ら自身が言葉を持ち寄り、響きあうことで変わっていく場面が、こちらの凝り固まった思い込みまでほどいてくれます。 人との距離感に悩んでいる人、誰かの力になりたいのに空回りしている気がする人には、そっと効くはずです。自分を追い立てずに、ただ「待つ」ことの意味を思い出させてくれる本でした。
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出版社による紹介
「空が青いから白をえらんだのです」(新潮文庫)が生まれた場所で起こった数々の奇跡を描いた、渾身のノンフィクション。
奈良少年刑務所で行われていた、作家・寮美千子の「物語の教室」。
絵本を読み、演じる。
詩を作り、声を掛け合う。
それだけのことで、世間とコミュニケーションを取れなくて罪を犯してしまった少年たちが、身を守るためにつけていた「心の鎧」を脱ぎ始める。
本書を読むと、「人間ていい生き物だな」と心底思えます。
読んだ内容を、もう忘れない。
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