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障害者の傷、介助者の痛み

障害者の傷、介助者の痛み

渡邉 琢

青土社 / 2018-12

累計読者数3
平均ハイライト数 42.3件/人
推定読了時間 約7時間
star総合評価 72/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 44%

この本について

介助や支援に関わっていると、「相手のために動いているはずなのに、どこかすれ違ってしまう」とか、「自分はどこまで踏み込んでいいんだろう」という迷いが消えないことがあります。現場で起きる小さな違和感や、言葉にしづらい疲れの正体が自分でもよくわからないまま、ただ積み重なっていく感じです。 『障害者の傷、介助者の痛み』は、その曖昧なモヤモヤを、きちんと言葉のある場所まで引っ張り出してくれる本でした。たとえば、介助には「待つ」ことがあるとよく言われますが、この本ではさらに、ただ受け身で待つのではなく、相手の言葉を聞き返し確認しながら、自分の主体も立ち上げていくプロセスが描かれています。また、介助者が無自覚に当事者の前に立ってしまう場面や、逆に後ろに隠れてしまう場面がなぜ起きるのか、その背景にある非対称な力関係まで丁寧に扱っていて、読んでいると「なぜあのとき自分はああ動いてしまったのか」が少しずつ腑に落ちます。制度の話も具体的で、ただ理念を語るのではなく、実際に地域で自立して暮らすにはどんな現実的な条件がそろわないといけないのかが見えてきます。 介助やケアに関わる人だけでなく、「他者との距離の取り方にいつも迷いがある人」にも刺さると思います。自分の立ち位置が揺らぎ続ける関係の中で、何を大切にすればいいのかを考えるきっかけになる本でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

相模原障害者殺傷事件は社会に何を問いかけたのか。あらためて、いま障害のある人とない人がともに地域で生きていくために何ができるのか。障害者と介助者が互いに傷つきながらも手に手を取り合ってきた現場の歴史をたどりながら、介助と社会の未来に向けて言葉をつむぐ。

目次

亡くなられた方々は、なぜ地域社会で生きることができなかったのか? 障害者地域自立生活支援の現場から思うこと 介助者の痛み試論 「介助者」「介護者」「ヘルパー」「健常者」「支援者」などの呼称をめぐって ベーシックインカムがあったら、介助を続けますか? 社会経済的観点からみた障害者介助の意義と課題 生存と労働をめぐる対立 障害者介護保障運動から見た『ケアの社会学』 障害者介護保障運動と高齢者介護の現状 差別解消法と、共生への道のり 「権利」と「迷惑」の狭間から とまどいと苦難 支援・介助の現場で殺意や暴力と向き合うとき 言葉を失うとき
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