
介助の仕事 ――街で暮らす/を支える (ちくま新書)
立岩真也
筑摩書房 / 20210308
この本について
仕事でも生活でも、「なんでこんなに人に任せるのが難しいんだろう」とか、「社会の仕組みって、本当にこれでいいのか」とか、ふと立ち止まる瞬間があると思います。介助やケアに関わっていなくても、人が生きていくことを誰がどう支えるのかという話になると、一気に自分の足元が揺れるような感覚がありますよね。 この本は、その揺れをまっすぐ見せてきます。たとえば、人が足りないんじゃなくて「条件が悪いから他に行く」という現実に触れたとき、妙に言い訳っぽくしていた自分の認識がひっくり返されました。また、「本人が決める」と「周りが支える」の線引きは、綺麗な理論で解決できると思っていたのに、実際にはそんな単純じゃないとわかる。委ねすぎると勝手に進むし、指示しすぎるのもしんどい。その“めんどくささ”ごと現実だと言われると、不思議と少し楽になります。 さらに刺さるのは、「生きる権利があるなら、それを可能にする義務が社会にある」という視点です。ボランティアの善意だけで支える構図が、本当は大多数の“さぼり”を黙認しているという話は、耳が痛いけれど逃げられない論点でした。きれいごとじゃなく、現実の制度や働き方にまで踏み込んで説明されるので、自分の関わり方を考えざるをえなくなります。 介助の現場にいる人だけでなく、「生きづらさの背景にある仕組みを知りたい人」に刺さる一冊です。自分の見ている世界の輪郭が、少し描き直される感じがありました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
読書の順序
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