
介護再編 介護離職激動の危機をどう乗り越えるか
武内和久 and 藤田英明
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2018-08-30
この本について
介護について考えるとき、「自立って本当に“自分のことは全部自分でやる”って意味なのか?」みたいな、小さく引っかかったままの疑問がなかなか消えません。現場の人と話しても、制度のニュースを見ても、どこか全体像がつかみにくい。自分がこれから家族の介護に向き合う立場になるのか、あるいは制度そのものがどう変わっていくのかも、モヤモヤしたまま置きっぱなしになりがちです。 この本は、そのモヤモヤに正面から向き合ってくれました。特に響いたのは「そもそも介護とは何を目的にしているのか」を丁寧にたどり直している点です。歴史から制度設計、そして現場が抱えている“ねじれ”まで、断片的に知っていたものが一本の線でつながる感じがありました。また、「自立支援」をどう扱うかについても、認知症の方や多様な価値観を持つ団塊世代の利用者を前提に考えると、これまでの理解だけでは足りないという視点がすっと腹に落ちます。 さらに、ビッグデータがあれば改善できるのに制度と現場のシステムが連携していない、という構造的な問題も率直に描かれていて、現場の努力だけでは解決できない“壁”の存在がよくわかります。誰かを責めるというより、「こういう背景があるから今こうなっている」という説明が続くので、読んでいて変に感情を煽られないのもよかったです。 介護に関わっている人だけでなく、「家族のこれから」を現実的に考え始めた人にも刺さると思います。自分の立場がどこであれ、一度は読んでおくと考え方の軸が少し強くなる一冊でした。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの13%が集中しています。
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