
小説の読み方 (コルク)
平野啓一郎
コルク / 2022-05-11
この本について
小説を読むとき、面白いはずなのに「どこを見ればいいのか分からないまま読み終えてしまう」ことってありませんか。伏線がどうとか、文体がどうとか言われても、結局その場その場で流されてしまう感じ。僕自身ずっとそのタイプで、読後にうまく言語化できないもやもやが残りがちでした。 平野啓一郎さんの『小説の読み方』は、そのもやもやをほどく“視点の持ち方”を丁寧に教えてくれます。といっても難しい理論書ではなく、「主語に対してどんな述語が続くのか」というごく小さな単位から、小説の動きを追っていく本です。読者の保存箇所を見ると、視点の距離の揺れとか、述語の役割とか、登場人物の心の微細な変化に刺さっている方が多くて、まさにそこがこの本の効きどころだと思います。ミステリーの“裏切り”がなぜ心地よいのか、会話の“疑問文”がどう読者の気持ちを代弁しているのかなど、具体例を踏まえて説明されるので、読んでいて「ああ、こういう仕組みだったのか」と腑に落ちる瞬間が多いです。 特に良いのは、「誤読を恐れなくていい」というスタンスが徹底しているところ。感じたことをその都度更新していい、という言葉にだいぶ救われました。小説を“正しく読む”のではなく、どう読めば自分の読書体験が豊かになるかを一緒に探ってくれる本です。 小説を読むたびに「もっと味わえる気がするのに言語化できない」と感じている人に刺さると思います。自分の読書の癖に気づき、その先の景色が少しだけ開けるきっかけになる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの35%が集中しています。
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