
地域金融復権のカギ「地方創生ファンド」―共感・感動のスモールビジネスを育て、日本を変える
松本 直人
東洋経済新報社 / 201903
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この本について
仕事で地域の企業支援に関わっていると、「結局、金融って貸すか貸さないかの話でしかないのかな…」とか、「本当に会社の力になるお金の入れ方って何だろう」と、ふと立ち止まる瞬間があると思います。私も同じで、融資と支援の境目が見えなくなるたびにもやもやしていました。 この本が面白いのは、そういう抽象的な“地域金融の理想論”ではなく、実務のど真ん中にある仕組みを丁寧にほどいてくれるところです。読者が抜粋していた「取得請求権付株式」や「種類株式」の説明はまさにその典型で、耳慣れない仕組みに見えて、実は「企業がちゃんと利益を出せるようになってから回収する」という、ごく当たり前の筋を通すための設計だと気付かされます。高利貸しのように見える行為が、じつは“企業が育つまで待つ”という意味になる。その視点が持てるだけで、資金の出し方に対する姿勢が変わります。 また、普通株式との違いを踏まえて読むと、地方創生ファンドが単なる資本提供ではなく、「会社の成長ステージに合わせて関わり方を変えられる道具を使っている」ことが腑に落ちます。種類株式を理解すると、なぜ地域金融が“伴走”と呼ばれる動きを取れるのか、その裏側のロジックが見えてきます。 金融の現場で「もっといい関わり方があるはずだけど、言語化できない」と感じている人には特に刺さる一冊だと思います。
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