
さえづちの眼 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫)
澤村伊智
累計読者数4
平均ハイライト数 6件/人
star総合評価 43/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 43%
この本について
人間関係でも仕事でも、「自分の記憶や認識って、本当に正しいのかな…」みたいな揺らぎってありませんか。誰かの言葉や昔の出来事を思い返すたびに、あの時の判断は正しかったのか、そもそも自分は何を見ていたのか、と不意に不安になることがあります。 澤村伊智さんの『さえづちの眼』は、まさにその“認識のほころび”を正面から揺さぶってくる話でした。読者が保存していた抜粋にも、幼少期に見た「光」、巴杵池の祠、冴子の祟り、UFO事件など、事実なのか思い込みなのか判断がつかない断片が多くて、読みながら自分の中の「これは本当だと思い込んでいた」部分が静かに動かされます。特に、二十年かけて孤立させる復讐の話や、知らないうちに自分が“何かをしてしまった”可能性に触れる場面は、過去の行動を別の角度から見直すきっかけにもなりました。 怖さを味わう物語ではあるのですが、単に怪異を楽しむだけではなく、曖昧な記憶や思い込みがどんなふうに人を追い詰めるのか、そしてそれをどう扱えば少しだけ前に進めるのかを考えさせられます。自分の中の「正しいはず」を疑う余白をくれる感覚です。 過去の記憶に引っかかりを抱えている人、あるいは“見えているものがすべてだと思いたいのに信じきれない人”には、特に刺さると思います。
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