
invert II 覗き窓の死角 城塚翡翠
相沢沙呼
累計読者数3
平均ハイライト数 3.3件/人
star総合評価 43/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 42%
この本について
最近、何が「事実」で何が「思い込み」なのか、よく分からなくなる瞬間がありませんか。自分の中の判断が本当に正しいのか、どこか不安が残るというか。特に誰かの行動を見て「きっとこうだ」と決めつけてしまったあとに、後から事情を知ってモヤっとすること、僕はけっこうあります。 『invert II 覗き窓の死角』を読んでいて刺さるのは、まさにその“判断の揺らぎ”に丁寧に向き合っているところでした。耳朶とかコンポジ撮影みたいな細かいディテールはもちろん楽しいんですが、それ以上に心に残るのは「一人の直感で真実は語れない」という静かな重みです。カメラの構造みたいに、目に見えない仕組みが結果に影響しているように、人の決断も多くのプロセスを通さないと簡単には正しくならない。そんな感覚を物語の中で自然と体験させられます。 特に、真実を明らかにするには多くの人の手を通す必要がある、という言葉は、日常のちょっとした場面にもつながるなと思いました。つい「自分の見えた範囲だけで判断してしまう癖」をほどいてくれるというか。仕事でも人間関係でも、早合点しがちな人ほど、物語の積み重ねが効いてくるはずです。 なので、この作品が刺さるのは「自分の“観察の癖”を一度リセットしたい人」。ミステリとしての面白さはそのままに、視点のズレや決めつけの危うさを自然に気づかせてくれる一冊でした。
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