
六人の嘘つきな大学生 (角川文庫)
浅倉 秋成
KADOKAWA / 2023-06-13
この本について
就活まわりの話って、今振り返っても「あれ、何を基準に動いてたんだっけ…?」と妙なモヤモヤが残りますよね。頑張らないといけない気はするのに、何を頑張れば正解なのかは誰も教えてくれない。人を見る側も見られる側も、実はみんな曖昧さの中で手探りしていたんじゃないか…と感じる瞬間があると思います。 『六人の嘘つきな大学生』は、その “曖昧さ” に正面から触れてくる小説です。人を見抜く技術なんて本当は存在しないのに、就活の場では平気で語られてしまう「洞察力」や「誠実さ」。そして選ぶ側も完璧じゃなく、焼き魚が綺麗に食べられるかどうかみたいな基準にすら頼ってしまう。そんな現実を、物語の中でじわっと突きつけてきます。読んでいると、自分が信じていた「正しく見極めれば正しい結果に近づく」という思い込みが少し揺らぐんですが、その揺らぎがむしろ安心につながるというか、あの時の自分を許せる感覚がありました。 特に、登場人物たちが“透明な敵”に向かって必死に点数を稼ごうとしている姿は、就活だけじゃなく、今の評価社会そのものにも重なります。うまくやれているように見えても実感が持てないあの感じを、物語が代わりに言語化してくれるんです。 就活や選抜の場で「人ってそんなに単純に見極められないよな」と感じたことがある人には、静かに刺さる一冊だと思います。私自身、読み終えたあとに、評価や洞察に対する姿勢が少しだけ柔らかくなりました。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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