ヨムナビ
QJKJQ (講談社文庫)

QJKJQ (講談社文庫)

佐藤究

講談社 / 2016-08-08

累計読者数4
平均ハイライト数 9件/人
推定読了時間 約4時間13分
star総合評価 47/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 63%

この本について

最近、何かがおかしい気がするのに言葉にできないまま、いつも通りの生活を続けてしまうことがありませんか。慣れてしまえば平気なふりができるけれど、その裏で自分の感覚がどこまで信じられるのか不安になる瞬間がある。自分の中の「現実」と「物語」の境目が、じわじわ曖昧になっていくような感覚です。 『QJKJQ』を読んでいて、読者が抜き出した部分にもそのざわつきがよく出ていました。人間が平気で高速移動に慣れてしまう話や、記憶の空白を勝手に埋めようとする心のクセ。どれも現実の範囲内なのに、じっと見つめると不気味なくらい揺らいでいる。物語はフィクションですが、刺さっているのは「自分の認知のほうがよほど危うい」という感触なんだと思います。 この作品が効くのは、日常の前提を揺らす仕掛けがとにかく丁寧なところです。まず、ありふれた町や人間関係の“すぐ隣”にある異常を描くので、読んでいるこちらの感覚まで引っ張られる。次に、無意識が勝手に現実を補修してしまう様子が具体的に描かれていて、自分も似たような思い込みをしていないか立ち止まらされる。さらに、犯罪や記憶の話がただの知識ではなく、物語の登場人物の生き方にしっかり結びついているので、読み終わってからもじわじわ残ります。 「自分の感覚をどこまで信じていいのか、ときどき不安になる人」には特に刺さるはずです。フィクションの形をしていながら、読み終えるころには自分の内側のほうを静かに覗きこむことになる、そんな一冊でした。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

佐藤究の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

市野亜李亜(いちのありあ)は十七歳の女子高生。猟奇殺人鬼の一家で育ち、彼女自身もスタッグナイフで人を刺し殺す。猟奇殺人の秘密を共有しながら一家はひっそりと暮らしていたが、ある日、亜李亜は部屋で惨殺された兄を発見する。その直後、母の姿も消える。亜李亜は残った父に疑いの目を向けるが、一家には更なる秘密があった。
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要