
時間と自己 (中公新書)
木村敏
累計読者数3
平均ハイライト数 1件/人
推定読了時間 約6時間12分
star総合評価 35/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 63%
この本について
最近、自分の気持ちや状況をうまく言葉にできなくて、ただ時間だけが過ぎていくような瞬間がありませんか。何かが動いている感じはあるのに、それが「どこからどこへ向かっているのか」が自分でもつかめない。そんなモヤモヤを抱えたまま日々をこなしている人は多いと思います。 『時間と自己』を読むと、その停滞感が少し違う見え方をしてきます。たとえば「運動とは、なにか から なにかへの移行」という一文。これを読むと、行動だけじゃなく、気持ちの変化や関係性の揺れも含めて、自分の中で起きている流れに気づきやすくなるんですよね。動けていないように感じている時でも、実はゆっくり別の場所に向かっているのかもしれない。そんな視点が持てるだけで、焦りがすこし和らぎます。 もうひとつ響いたのは、「こと は ことば によって語り、それを聞くことで理解される」という部分。うまく言語化できない経験って、放っておくと自分の中で迷子になる感じがありますが、言葉にして誰かに伝えることで、ようやく輪郭が出てくる。自分の気持ちを言葉にする作業そのものが、時間の流れを整える行為なんだと気づかされます。 自分の“進んでいる感覚”が曖昧になっている人に、特に静かに刺さる本です。抽象的な哲学書というより、日常の揺れをどう扱うかをそっと教えてくれる一冊でした。
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出版社による紹介
「生き生きした現在」とは、フッサールの現象学の最終的な到達点である。それは、流れつつ立ちとどまる、時間の根源的なあり方である。本書は、フッサールの分析を跡づけながら、この原初的な出来事のうちに含まれる問題性を明らかにする。このことを通じて本書は、事象に即しつつ、フッサールを乗り越えてゆく。読者に時間という事象の問題性をともに考察することをうながし、同時に、現象学的思惟の新たな可能性を拓こうとする優れた研究である。
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