
りゅうおうのおしごと!12 (GA文庫)
白鳥 士郎、しらび
SBクリエイティブ / 2020-02-13
この本について
仕事でも趣味でも、ずっと続けてきたものほど「もう前みたいに気持ちが乗らない」とか、「辞めたいのに、辞めた自分を受け入れられない」とか、そういう妙な怖さがまとわりつく時がありますよね。自分でも説明しづらいけど、足が前に出ない感じ。僕もよくそこで止まってしまいます。 『りゅうおうのおしごと!12』で印象的なのは、将棋に人生をごっそり預けてきた人たちが、その“止まる瞬間”と正面から向き合っているところでした。抜粋にある「生活の全てが将棋に染まりすぎてて、外の世界に出るのが怖い」という告白は、将棋の話に見えて、実はどんな分野にも起こる感情だと思います。やめる・続けるの二択じゃなくて、「心が離れていた自分をようやく自覚する瞬間」ってこういうものなんだな、と静かに刺さりました。 そしてもう一つ、完敗した後の描写が意外と前向きなんですよね。「一番下まで落とされたなら、あとは上っていくだけ」という感覚は、勝負の世界だからこそリアルに響きます。自信が粉々になってからの回復って、実際にはすごくゆっくりだし、爽快なんて言葉からはほど遠い。でも、この巻では“それでも人は立ち上がる”というより、“立ち上がるしかなくなるラインまで落ちて初めて軽くなる”という、あまり語られない心の動きが描かれていて、自分の失敗の扱い方が少し楽になりました。 頑張り方がわからなくなった人、続ける理由が見えないまま踏みとどまっている人には、とても近い距離で届く巻だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
読書の順序
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