
りゅうおうのおしごと! (GA文庫)
白鳥 士郎、しらび
SBクリエイティブ / 2023-07-12
この本について
仕事でも趣味でも、自分の中に「これでいいのかな」と迷いが残る時ってありますよね。頑張っているつもりでも、周りのほうが覚悟がある気がして落ち着かない。自分の選んだ道を、胸を張って続けていいのかどうか。そのあたりの揺れに触れてくれるのが、この『りゅうおうのおしごと!』でした。 作中では、棋士たちが勝負のたびに迷ったり、焦ったり、心の折れそうな場面に出会います。特に、失敗を飲み込みながら次の一手を指す姿勢や、「強さ」より先に「心の持ちよう」が問われる瞬間は、仕事をしていて感じる現実にかなり近いと感じました。相手のわずかな変化を手がかりに覚悟を決めたり、根拠が揺らいでも、それでも頭を下げて前に進む場面は、自分が逃げずに立ちたい時のモデルみたいな感覚で読めます。 もう一つ、この作品の効き目だと思ったのは、「熱中している人を見ると、自分も動きたくなる」というあの感覚を思い出させてくれるところです。真剣勝負の場面で、登場人物が誰かの全力に胸を打たれて動き出す。その流れがすごく自然で、読んでいるこちら側まで背筋を伸ばされるようでした。努力とか根性という言葉に落とし込まないで、ただ「心が揺れると、人は前に進む」という当たり前を丁寧に描いてくれます。 頑張りたい気持ちはあるのに、一歩が重くなる人に刺さる作品だと思います。自分がいま何に向き合いたいのか、静かに確認したい時にちょうどいい一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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