
企画立案からシステム開発まで 本当に使えるDXプロジェクトの教科書
下田 幸祐 and 飯田 哲也
日経BP / 2020-03-27
この本について
DXの企画や要件定義に関わっていると、「正解が見えないまま進めていいのか」「結局どこまで固めればいいのか」といった落ち着かない感じがつきまといますよね。特に基幹システムの経験が長いほど、要件があいまいな状態に耐えられず、何度も立ち止まってしまうことがあると思います。自分もまさにそのタイプで、企画段階のモヤモヤにずっと振り回されていました。 この本は、そんな“霧の中で進む感覚”をどう扱えばいいのかを、かなり地に足のついた形で示してくれます。まず救われるのは、DXでは要件が決まっていないこと自体が前提だと書かれている点で、「決まらなさと付き合う方法」から丁寧に話が始まること。企画段階ではイラストやモックを何度も更新していくプロセスが重視されていて、完璧にまとめるより、仮説を形にし続けるほうがむしろ自然だと腹落ちします。さらに、AIやデータの“使えそうな範囲”を押さえながらユーザーと一緒に要求を整理していく、という実務寄りの姿勢が繰り返し語られていて、現場に戻ったときの行動のイメージが湧きやすいです。 もう一つ刺さったのは、アジャイルかウォーターフォールかを“思想”ではなく“状況”で判断するという割り切り方。アジャイルを入れるべきところと、割り切って固定するべきところの線引きが例示されていて、無理にどちらかに寄せる発想から解放されます。また、意思決定者が誰かによってアジャイルが機能しない話や、PoC前提でスケジュールを組む必要性など、実際に現場で困るポイントにまっすぐ触れてくれるのもありがたいところです。 新規サービス系のDXに関わっていて、「要件が揺れ続ける状況をどう扱えばいいのか」に悩んだことがある人には、かなり実務に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
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