
ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)
東野 圭吾
KADOKAWA / 2014-11-22
この本について
仕事でも人間関係でも、「この判断でよかったのか」とか「誰かの期待に応えられていない気がする」とか、答えのない迷いを抱えたまま日々が過ぎていくことってあります。自分の気持ちと頭の整理が追いつかないまま、なんとなく選んで、なんとなく後悔してしまうような感じです。 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の抜粋を読み返していると、読者の方が心を動かされたのは、派手な奇跡ではなく「人の気持ちはそんなに単純じゃない」という現実的な揺れの部分なんだろうなと思いました。産みたい気持ちと産めない事情が同時に存在するように、続けたい仕事と離れたい気持ちが同居するように、人生の相談って本音と理屈が噛み合わない瞬間にこそ出てきます。この物語は、その“噛み合わなさ”を否定せずに受け止めてくれる感じがあるんです。 もうひとつ大きいのは、「繋がりは理由があって切れるんじゃなくて、心が離れたときに静かに途切れる」という指摘。これって実際の人間関係にもそのまま当てはまると思っていて、理由探しよりも、今の自分が修復に向けて動く気持ちを持てているかのほうがよっぽど大事なんですよね。物語の中では過去と現在が思わぬ形で交差しながら、その“関わろうとする気持ち”が誰かを支えたり、救ったりしていきます。 大げさに人生を変える本ではないですが、「自分の迷いは間違っていない」と静かに背中を押してくれる一冊です。特に、誰かの相談に答える立場にいるけれど、自分だって迷いながら生きている人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
読書の順序
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