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容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

東野 圭吾

文藝春秋 / 2008-08-05

累計読者数13
平均ハイライト数 36.3件/人
推定読了時間 約4時間41分
star総合評価 74/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 36%

この本について

仕事でも人間関係でも、「考えれば考えるほど深みにはまって、答えが見えなくなる時」ってありませんか。自分では筋道立てて動いているつもりなのに、どこかで予想外の“未知数”が入り込んで、計画がにじんでいくあの感じです。最近その感覚に刺さったのが、『容疑者Xの献身』でした。 この物語は、天才的な論理の積み上げが“ほころびていく瞬間”を描くのが本当にうまいです。読者が保存していた場面――自転車の細かな不自然さ、ちょっとした受け答えの食い違い、警察が落とす「ん?」という違和感。それらが積み重なるにつれて、石神の信じていた完璧な計算が少しずつ崩れ、彼自身も気づかないうちに追い詰められていく。自分の仕事でも、計画通りに組んだはずの資料やプロジェクトが、些細な前提のズレでゆっくり狂っていく時があって、その感覚と妙に重なりました。 そしてもう一つ、この作品は「他人のために動くことの限界」についても刺さります。相手のために最善を尽くしたつもりでも、相手はその“意志”に気づいていないかもしれないし、そもそも望んでいないかもしれない。特に、靖子が石神を“壁のひび割れのような存在”としてしか見ていなかったという描写は、胸が痛くもあり、どこか現実的でした。善意と献身のズレって、日常でも起きがちですよね。 こんな人に刺さると思います。自分の「正しさ」や「努力」が、実は独りよがりかもしれないとふと不安になる人。物語としても面白いですが、読み終えると、他人への距離の取り方や、論理と感情の折り合いのつけ方をもう一度考えたくなる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

累計290万部突破。直木賞を受賞した大ベストセラー! 天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。 福山雅治主演で2008年に映画化され、堤真一、松雪泰子の熱演も話題になった。 ※この電子書籍は2008年8月に文藝春秋より刊行された文庫を底本としています
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