
琥珀の夢 小説 鳥井信治郎 下 (集英社文庫)
伊集院静
集英社 / 2020-06
この本について
仕事で判断に迷ったり、努力しても報われているのか分からなくなったりすると、つい近道を探したくなるんですよね。格好だけ整えて「ちゃんとやってる風」を演じたくなる時もある。でも心のどこかで、それじゃ前に進めないと分かっている。そんな時に『琥珀の夢(下)』を読むと、少しだけ背筋が伸びます。派手な成功物語というより、地に足ついた商いの積み重ねが描かれていて、「ああ、結局はここなんだよな」と落ち着く感覚があります。 たとえば、立派な格好でお金を貰いにいくのではなく、汗をかきながら人に働いてもらうことに感謝する姿勢や、人が休んでいる時にどれだけ向き合えるかという静かな覚悟。こういう言葉は、いまの働き方やチームとの関わりにそのまま持ち帰れるんですよね。失敗した味も「わては好きではない」と正直に向き合い、そこから工夫を重ねていく姿を見ると、自分ももう少し丁寧に試行錯誤していいんだと思えてきます。派手さはないけれど、仕事の質を一段上げるための目線が自然と整っていく感じです。 歴史的な出来事に飲み込まれながらも、「この国はこれからや」と言い切る前向きさや、困っている人に分け隔てなく手を差し伸べることを大事にする価値観も、読んでいて不思議と心が落ち着きます。何か大きな答えを示す本ではないけれど、日々の選択に迷う自分に静かに寄り添ってくれる。そんな一冊でした。 コツコツ積み上げたいけれど焦りが出てしまう人に、特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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