
現代思想2020年7月号 特集=圏論の世界――現代数学の最前線
西郷 甲矢人, 加藤 文元, 渕野 昌, 郡司 ペギオ幸夫, and 谷村 省吾
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star総合評価 62/100
start序盤集中型
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この本について
仕事でも日常でも、「目の前の現象だけ見てても全体像がつかめないな…」という感覚、けっこうあると思います。自分もよく、関係が複雑に絡み合っている場面で、どこから整理すればいいのか迷ってしまいます。そんなときに圏論の話に触れると、世界の見え方が一段階ずつ抽象化されて、むしろ具体的な理解がしやすくなる瞬間がありました。 この特集が面白いのは、圏論を「難しい数学」としてではなく、人が何かを認知するときの体系性や、異なる分野の法則同士がどんなふうに対応しているのか、といった“関係の構造”として見せてくれるところです。例えば「アリスはボブを愛している」という単独の認知の裏に、無数の可能性のネットワークが同時に存在している、という説明は、日常の思考にもそのまま重なる感じがあって、読んでいて妙に納得しました。機械学習の逆伝播や量子力学、言語の意味の流れまで一つの枠組みで扱える、という話も、世界を点ではなく流れで捉える感覚が鍛えられます。 圏論を神格化するような本ではなく、むしろ「関係性の見方を一つ増やすと、複雑なものが少しだけ扱いやすくなる」という現実的な効き方をしてくれる本だと思います。思考が細部で詰まりがちな人や、分野の違う知識が頭の中でつながらないと感じている人に刺さるはずです。
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