
岸田ビジョン 分断から協調へ
岸田文雄
講談社 / 2021-10-19
この本について
政治の話題って、関心はあるのに、具体的にどこから考えればいいのか分からなくなることが多いですよね。外交、安全保障、税制、エネルギー、地方の活性化…。どれも自分の生活につながっているのに、日々のニュースだけでは「結局、日本はどこへ向かうのか」がつかみきれないまま終わってしまう感覚があると思います。 『岸田ビジョン 分断から協調へ』は、そういうモヤモヤをいったん立ち止まって整理するときに役立つ一冊でした。たとえば、なぜ中間層の維持がここまで重要なのか、あるいはアメリカとの距離感をどう捉えるべきかといった、日頃ぼんやり気になっていた論点が、著者自身の経験や問題意識とセットで語られていきます。原発依存を減らしたいという方向性と、エネルギー安全保障をどう両立させるのか。所得分配のゆがみをどう直すのか。こういう“生活に近いけれど自分では整理しづらいテーマ”が、少しだけ立体的に見えてくる感覚がありました。 外交でも経済でも、日本が「どこかの陣営に寄りかかるだけ」ではなく、仲介役や架け橋として動ける余地がまだある、という視点も印象的でした。大きな理想を語りつつも、デジタル田園都市構想やリカレント教育、ベースアップ促進など、具体的な制度の話まで丁寧に踏み込んでくれるので、現実の政策がどう積み上がっていくのかを自分ごととして考えやすいです。 政治に強い関心がある人よりも、「なんとなく気になるけれど、いまの日本の課題を自分の言葉で説明できない」という人に刺さる本だと思います。国家の話をしているようで、けっきょく自分たちの暮らしの話なんだよな、と静かに気づかされる一冊でした。
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多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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