
アフター・リベラル 怒りと憎悪の政治 (講談社現代新書)
吉田徹
講談社 / 2020-09-16
この本について
最近、「なんで世界中でこんなに怒りっぽい政治が増えてるんだろう」とか、「右とか左とか言われても、何が問題の核心なのか分からない」と感じることが多くて、ニュースを見てもモヤモヤだけが積み上がっていく…そんなときに読んだのが『アフター・リベラル』でした。専門書っぽい題名ですが、内容はむしろ今の違和感を言語化してくれるタイプの本でした。 読んで一番刺さったのは、極右も極左も “過去でも現在でもない別のアイデンティティ” を求めて動いている、という視点です。日常の利害とは別のところで人が動き出すと、政治は一気に感情の領域に傾く。ニュースの断片だけ見ても理解しづらかった流れが、ようやく一本につながった感じがありました。また、ハンガリーやトルコのような事例が丁寧に説明されていて、「権力がどう変質するのか」を具体的に追えるのも大きかったです。単なる理論ではなく、実際の国で何が起きたのかを目の前に置いてくれるので、自分の暮らしにも引き寄せて考えられました。 そしてもう一つ学びになったのは、共同体・権力・争点の組み立て自体が揺れているという指摘です。経済より “誰と一緒に生きるか” が政治を左右しているという説明は、自分の周りの空気感とも妙にリンクしました。構造を知ることで、ニュースを見るときの「地図」が作れるようになった気がします。 今の政治の空気を「ただのノイズ」と捉えずに、自分の立ち位置を落ち着いて考えたい人に刺さる本だと思います。
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