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善と悪のパラドックス

善と悪のパラドックス

リチャード・ランガム and 依田卓巳

累計読者数3
平均ハイライト数 27.3件/人
推定読了時間 約9時間26分
star総合評価 68/100
trending_up後半加速型
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この本について

ときどき、自分の中に妙な二面性を感じることがあります。普段は穏やかに人と接しているのに、集団の空気が変わった瞬間に妙な緊張が走ったり、評価されないことが極端に怖くなったり。理性とは別のところで何かが働いているような、あの感覚です。そこにうっすら気づいてしまうと、「人間ってそもそもどういう生き物なんだろう」と考え込んでしまうことがあります。 『善と悪のパラドックス』は、まさにその“正体のわからなさ”に光を当てる本でした。読者がメモした抜粋を見ると、家畜化・処刑・集団の掟・陰口のネットワークなど、人間の社会で起きる行動の根っこを進化の視点から解きほぐす部分に強く反応しているんだと思います。例えば、なぜ「悪者扱いされること」があんなにも怖いのか。なぜ集団が結束すると急に過激な判断を下せるのか。あるいは、穏やかなふりをした人が残酷な決断を下せてしまうのはどういう構造なのか。抽象論ではなく、動物行動や人類史の具体例と結びつけて説明されるので、自分の経験とつながりやすいんです。 読んでみて感じたのは、これは「人間はこうなるべき」という話ではなく、「人間がもともとどういう仕組みで動くのか」を知ることで、自分の行動に少し距離を置けるようになる本だということです。たとえば、評価への過剰な敏感さがただの性格ではなく、生存戦略の名残かもしれないと知るだけで、少し呼吸がしやすくなる場面があります。人の“善悪の揺らぎ”に振り回され続けてきた人ほど、腑に落ちるものが多いと思います。 自分の反応の理由を、もう少し静かに見つめたい人に刺さる一冊です。

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出版社による紹介

最も温厚で、最も残忍な種=ホモ・サピエンス。協力的で思いやりがありながら、同時に残忍で攻撃的な人間の特性は、いかにして育まれたのか?世界を舞台に活躍する人類学者が、“自己家畜化”という人間の進化特性を手がかりに、長年のフィールドワークから得られたエビデンスと洞察、生物学、歴史学の発見にもとづき、人類進化の秘密に迫る。
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