
悪徳の栄え 上 (河出文庫)
マルキ・ド・サド、澁澤龍彦
河出書房新社 / 1990-10-09
累計読者数4
平均ハイライト数 8件/人
推定読了時間 約4時間29分
star総合評価 52/100
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この本について
最近、世の中の「正しさ」に合わせようとしすぎて、自分の本音がどこにあるのか分からなくなることがあります。誰かの機嫌を損ねないように振る舞ううちに、心の奥で渦巻いている衝動や怒りや欲望を、まるごとなかったことにしてしまう。けれど、その無理が積み重なると、ふとした瞬間に自分でも驚くような方向へ気持ちが逸れていくんですよね。 『悪徳の栄え』を読んで痛感したのは、人間の中にある“扱いづらい部分”から目をそらすほど、かえって振り回されるという現実でした。自然は冷静さよりも暴れまわる感情に味方しやすい、というくだりは妙に腹に落ちますし、魂が神経に触れてはじめて感情が生まれるという描写は、理屈では抑えられない衝動の説明として妙に現実的です。また、美徳が「本来の性質」ではなく、社会に合わせるための後付けにすぎないという視点に触れると、自分の中の矛盾が急に許されるような感覚もあります。 もちろん、この本は何かを指南してくれるタイプではありません。ただ、自分の中の黒い部分を持っていることを前提に生きる方が、ずっとまっとうなんじゃないか、そんな気づきを与えてくれます。自分の“理性”と“衝動”の境界が曖昧だと感じている人に刺さると思います。
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出版社による紹介
美徳を信じたがゆえに悲惨な運命にみまわれるジュスティーヌの物語と対をみなす、姉ジュリエットの物語。妹とは対照的に悪の哲学を信じ、残虐非道のかぎりを尽くしながら、さまざまな悪の遍歴をかさねるジュリエット。不可思議な出来事につぎつぎに遭遇し、最後には悪の讃歌をうたいあげるその波瀾万丈の物語は、サドの代表作として知られる古典的傑作である。
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