
縮訳版 戦争論 (日本経済新聞出版)
カール・フォン・クラウゼヴィッツ、加藤秀治郎
日経BP / 2020-11-24
この本について
仕事でも人生でも「ここで決めないといけないのに、いざ目の前に来ると腰が引ける」という場面ってありますよね。相手の状況を過大評価して身動きが取れなくなることもあれば、逆に考えすぎてタイミングを逃すこともあって、自分でも何に怯えているのか分からなくなる。僕自身、その感覚がずっと抜けずにいました。 『縮訳版 戦争論』を読むと、クラウゼヴィッツが語っているのは戦争そのものというより、極度の不確実性の中で人がどう判断し、どう耐えるのかという話でした。読者の抜粋にもあるように、「知性だけでは決断力にならない」「責任を担う勇気は心の揺れに耐える力だ」という指摘は、仕事の現場にもそのまま持ち込めます。状況が不完全にしか見えないからこそ過大評価しがちになる、という視点も、相手の反応を恐れて動けない時に効きました。 もう一つ大きかったのは、「抽象的な極限状態を前提にすると現実への寄与がなくなる」という部分です。完璧な準備や完全な情報を前提にすると、いつまでも動けないままになる。クラウゼヴィッツはそこで踏みとどまらず、政治目的との釣り合いや、現実の制約の中でどこまでやるかを見極める必要を淡々と書いている。これは、仕事の判断でどこまで踏み込むか迷っている時の軸になりました。 特に「決断しなかったことで生まれる矛盾の方が危険」という感覚に刺さる人には、静かに効く本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
読書の順序
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