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小説 ここは今から倫理です。 (集英社文庫)

小説 ここは今から倫理です。 (集英社文庫)

ひずき優、雨瀬シオリ

集英社 / 2020-12-23

累計読者数3
平均ハイライト数 2件/人
推定読了時間 約2時間53分
star総合評価 45/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 75%

この本について

人と話していて、なぜか急に胸の奥がざわつく瞬間ってありますよね。相手の何気ない一言で、自分の教養や経験の浅さを突きつけられたような気がして、うまく言葉が返せなくなるとき。あとから「見返してやりたい」と思うのに、その場では固まってしまう。あの情けなさ、僕も何度も味わってきました。 『ここは今から倫理です。』を読んでいて、保存されていた抜粋の感じからも、似たようなところに引っかかった人が多いんだろうなと感じました。教養がないとバカにされる側の視点や、薄笑いを向けられるときの居心地の悪さ、それでもどうにか立て直そうとする気持ち。作品の中ではそのモヤモヤが、倫理という“正しさの議論”ではなく、もっと人間らしい反応として描かれています。シェーラーの「愛こそ、貧しい知識から豊かな知識への架け橋」という言葉も、知識の量より、相手を理解しようとする態度のほうが関係を動かすんだと静かに気づかせてくれます。 読んでいて思ったのは、知識があるかないかで人間関係が決まるわけじゃないという当たり前のことを、登場人物たちの不器用さを通して実感させてくれる点でした。強がりたいのに強がれないとき、うろたえた自分をごまかす余裕がないとき、この本の空気は妙に心にちょうどいい。きれいな答えではなく、揺れながら考えるプロセスをそのまま見せてくれるからだと思います。 刺さるのは、多分「人とうまく距離を取るのが苦手で、つい自分を低く見積もってしまう人」。ドラマチックな成長より、明日少しだけ呼吸しやすくなるような視点が欲しいときに、そっと横に置いておける一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

いち子は高校生活を流されて送っていた。好きでもない子と教室でセックスしているのも、なんとなく、だ。そんな生活を変えたのは、倫理教師・高柳との出会いだった。「ジェンダーとは」「幸せとは」そんなことを言う不可解な人は他にいない。いち子は恋心を抱き、倫理の授業に出席し続けるのだった。高柳と生徒たちが、倫理の諸問題を問い続ける傑作漫画のノベライズ版。

目次

知らないこと 理想の先生 よく生きる 普通の人間 セミの声 主義探し 切っちゃおうかな マン・イン・ザ・ミラー
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