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現実脱出論 増補版 (ちくま文庫)

現実脱出論 増補版 (ちくま文庫)

坂口恭平

累計読者数3
平均ハイライト数 11.7件/人
star総合評価 49/100
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この本について

最近、「現実に合わせて動いているはずなのに、なんだか自分の感覚だけ置いていかれる」みたいなズレを抱えている人、多い気がします。人のペースに引っぱられて気づけば疲れきっていたり、同じ毎日なのに妙に狭く感じたり。かといって劇的な変化を求めているわけでもない。ただ、自分の感覚を取り戻したいだけなんですよね。 坂口恭平さんの『現実脱出論』は、そのズレを無理やり直すんじゃなくて、「そもそも現実って一個じゃないよね」という視点をそっと置いてくれる本でした。たとえば、日常のなかに混ざっている思考の空間に気づけるようになると、同じ場所でも広さが変わったり、時間の流れ方が変わったりする。幼いころのように、砂や石ころまで観察していた感覚が少しだけ戻ってくるんです。また、誰かのペースに合わせてすり減ってしまう時も、「自分が居心地よくいられる空間に戻っていい」という当たり前を思い出させてくれます。現実は固いものではなく、意外と柔らかい、と。 大げさに言えば「世界の見え方が変わる本」だけど、やっていることはもっと地に足がついていて、カルボナーラを丁寧に作るような、誰にでもできる小さな行為から自分の世界を温め直していく話なんですよね。何かを創る力というより、「見つける力」に興味がある人に刺さると思います。 いまの現実に違和感があるけれど、逃げたいわけじゃない。ただもう少し自由に呼吸したい、という人にほど届く一冊です。

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