
日本再生のための「プランB」 医療経済学による所得倍増計画 (集英社新書)
兪炳匡
集英社 / 2021-03
この本について
最近、「なんで日本ってここまで停滞感が強いんだろう」「制度や仕組みの話になると一気に霧がかかる感じがする」とぼんやり思うことが増えていました。自分の努力だけではどうにもできない構造の問題に触れると、考える気力が落ちる瞬間もあります。 この本は、そんなモヤモヤに正面から向き合う内容でした。産業戦略を放棄してきた歴史や、データを公開しない政策文化、賃金抑制の悪循環など、耳が痛い現実が容赦なく並ぶのですが、不思議と読み終わったあとに「状況の全体像がやっとつかめた」という感覚が残ります。特に、米国と比較しながら政策形成のプロセスや予防医療の位置づけを説明してくれるので、自分たちがどこで立ち止まっているのかが、かなり立体的に見えてきます。 また、著者が長年アメリカに留まらざるを得なかった背景の話が刺さりました。制度が変わらないことで人材が流出し、その結果さらに改善が遅れる…という負のループが、個人の人生レベルにも影響している。こうした「構造が人をどう縛るか」という視点は、日々のニュースの見え方も変えてくれます。 日本の停滞を「雰囲気」ではなく、仕組みとデータで理解したい人に向いている本です。自分の生活や仕事まで視界が広がる感じがあるので、重いテーマのわりに前に進むための足場をくれる一冊でした。
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多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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