
イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)
デービッド・アトキンソン
講談社 / 201506
この本について
観光だの経済だのと聞くと「自分の仕事とは遠い話だな」と思いながらも、ニュースを見るたびに日本の停滞感にモヤッとしてしまうことがあります。何となくおかしい気がする。でも理由を説明しようとすると言葉にできない。そんな状態が続いていたとき、この本は自分の視界を少し広げてくれました。 著者は、日本の“努力している個人”と“制度としての国の動き”の落差をはっきり指摘します。例えば、観光客は日本人の丁寧さには感動するのに、都市としての仕組みは全然そろっていないとか。あるいは、文化財修復の世界で客観的な評価がないせいで、手抜き業者が温存されてしまうとか。読んでいて耳が痛い場面もあるのですが、数字と現場の両方から「どこがボトルネックなのか」を見せてくれるので、自分の仕事の改善にも置き換えやすい視点が多いんです。 個人的に効いたのは、著者が一貫して「前例」「コンセンサス」「言い訳」に流されない姿勢を語るところ。改革って大きな政治の話に聞こえるけれど、実際には職場の細かい改善と同じで、数字を見て、悪い比較に逃げず、地味な積み重ねを続けるだけなんですよね。観光業の話も、文化財の話も、その延長線上に置き換えると急に自分ごとになりました。 日本の停滞感の正体を、感情論ではなく構造で理解したい人に刺さる本だと思います。読み終えると、国レベルの話をしながら、自分の明日からの動きが少し変わる──そんなタイプの一冊です。
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多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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