
イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」 (講談社+α新書)
デービッド・アトキンソン
講談社 / 2015-06-22
この本について
仕事でも日常でも、日本の「やり方」に違和感を覚える瞬間ってありますよね。なんとなく面倒を避ける空気があったり、議論が噛み合わないまま進まなかったり、でもそれを言語化できずにモヤモヤが残る。僕も同じで、「これは文化なのか、ただの慣習なのか」がずっと判断しきれませんでした。 この本が面白いのは、日本について語り尽くされたように見えるテーマを、イギリス人アナリストがデータと比較文化の視点で淡々と説明してくれるところです。たとえば、日本人がリスクを避けるのは「農耕民族だから」ではなく、「人口を背景にした高成長が生んだ文化」だと整理されると、自分の行動の根っこが急にクリアになります。あるいは、日本が得意なのは新旧どちらかを選ぶことではなく、「古いものを残したまま新しいものを積み上げる」という独特の足し算だと示されると、普段見慣れた街の風景が別の意味を帯びはじめます。 そして一番刺さったのは、日本の弱みが「変われないこと」そのものではなく、「変わるまでは遅いけれど、変わると一気に実行する」という極端さにある、と指摘しているところでした。公園の禁止看板の話や、委員会のwoolly thinkingの例を読むと、自分の仕事の場面とつい重ねてしまいます。 日本社会の“仕組み”に言葉を与えたい人や、「なんで自分はこう感じるんだろう」を整理したい人にとって、静かに効いてくる一冊だと思います。
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