
「叱り方」の教科書―学級・学年の“荒れ"を防ぐ叱り方
吉田 順
学事出版 / 202303
この本について
教室で生徒に注意したあと、「これでよかったのかな…」「また同じことを繰り返されたらどうしよう」とモヤモヤすること、ありますよね。叱るって、本当に難しいです。褒めるより難しい、というのは読者の方が保存していた抜粋を見てもよく伝わってきます。自分も経験ありますが、相手の反応が読めない分、つい強く叱るか、逆に遠慮してしまうかの両極端になりがちです。 この本がいいのは、「叱り方のテクニック集」ではなく、そもそも子どもが“なぜ”問題行動をするのか、その背景にある「わけ」から一緒に考えさせてくれるところです。たとえば、表向きは反抗的に見えても、内側には「もっと見てほしい」「心配してほしい」という切実なサインが潜んでいること。あるいは、表面上の反省は薄くても、“ウソの反省でも積み重なると変化のきっかけになる”という現実的な視点。このあたりが、読者が特に刺さったポイントなのだろうと思います。 また、叱ることが「見捨てられていない」という感覚につながるという視点も印象的でした。単に厳しくするのではなく、前向きな関心を示し続けることが、子どもの行動を抑制する“内面化された怖い人”につながっていくという説明は、実務に落とし込みやすいはずです。いじめや閉鎖的なグループへの対応を、道徳的な説教ではなく、「行動で示す」方向に軸足を置いているところも現場で役立ちます。 「叱るたびに自信が揺らぐ」「子どもとの距離の取り方がわからない」と感じている人には特に刺さる本です。恥ずかしながら自分も読みながら何度も「あぁ、これ自分にもあったな」と思いました。プロとしての正しさより、“生徒とどうつながるか”を大事にしたい人に向いた一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
読書の順序
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